認知症・
軽度認知機能障害（MCI）の現状

あなたや、あなたの大切な家族が「最近物忘れが増えたな」と感じることはありませんか？

認知症や軽度認知機能障害（MCI）は高齢者に多く見られ、日本では高齢化の進行に伴い、認知症患者数が増加しています。現在、日本の認知症患者数は約600万人、MCIの患者数は約400万人と推計されており、今後も増加が予想されます。

しかし、認知症は早期の発見と適切な対応によって、その進行を遅らせることが可能です。

もしこのまま放置したら…？

最初は「鍵をどこに置いたか忘れた」「昨日の夕飯が思い出せない」といった小さな変化かもしれません。

でも、それが進むとどうなるでしょうか？

• ある日、家族の顔がわからなくなる。「この人、誰？」と、自分の子どもや配偶者に尋ねる日が来るかもしれません。
• 突然、家を出て帰れなくなる。夜中にひとりで外へ出てしまい、道がわからなくなり、警察に保護されることも。
• 財布や鍵をなくし、「盗まれた！」と周囲を疑う。被害妄想が強くなり、家族との関係が悪化することもあります。
• 料理や掃除ができなくなり、生活が成り立たなくなる。
• トイレの場所がわからなくなり、失禁してしまう。

あなたやあなたの大切な家族が、こんな状況になってしまったら…。
ご心配ですよね。

でも、まだ間に合います。

認知症の診断と治療

認知症の診断方法

認知症やMCIの診断には、以下のような検査が行われます。

神経心理検査：

o MMSE（ミニメンタルステート検査）：
認知機能の基本的な評価を行う。

o 長谷川式簡易知能評価スケール（HDS-R）：
日本で広く使用される認知機能検査。

血液検査：

o ビタミンB1・B12の欠乏や甲状腺機能低下など、認知症と似た症状を引き起こす病気のスクリーニング。

画像検査：

o CT・MRI：
脳の萎縮や脳血管障害（脳梗塞、慢性硬膜下血腫など）を確認。

o VSRAD（Voxel-based Specific Regional Analysis System for Alzheimer’s Disease）：
MRI画像を解析し、アルツハイマー型認知症に特徴的な海馬の萎縮を評価。

o SPECT（脳血流シンチグラフィー）：
脳の血流低下を可視化し、レビー小体型認知症やアルツハイマー病の鑑別に有効。

o DATスキャン（ドパミントランスポーターシンチグラフィー）：
レビー小体型認知症とアルツハイマー病の鑑別に有用。

認知症にはさまざまな種類があり、原因によって異なる治療や対策が必要です。

治療により改善する認知症

一部の認知症は、適切な治療によって改善が可能です。

・慢性硬膜下血腫：
外科手術により症状が改善する可能性あり。

・正常圧水頭症：
脳脊髄液の流れを改善することで症状の回復が期待できる。

・ビタミン欠乏（ビタミンB1、B12など）：
適切な栄養補給で改善可能。

主な認知症の種類

アルツハイマー型認知症：

• 最も多いタイプの認知症。
• 脳内のアミロイドβ蓄積が原因とされる。
• 徐々に記憶障害が進行。

レビー小体型認知症：

• 幻視やパーキンソン症状を伴う。
• 注意力や認知機能が日によって変動。

血管性認知症：

• 脳梗塞や脳出血など、脳血管のダメージが原因。
• 予防には生活習慣病（高血圧・糖尿病・脂質異常症など）の管理が重要。

前頭側頭型認知症：

• 行動異常や人格の変化が顕著。
• 進行すると判断力や社会性の低下が見られる。

予防の重要性

MCIや認知症の予防・進行抑制には、以下の対策が有効とされています。

生活習慣病の改善

血管性認知症の予防には、生活習慣病の管理が重要です。

・適切な食生活：
地中海式食事やDHA・EPAの摂取

・運動習慣の確立：
有酸素運動や筋力トレーニング

・ストレス管理：
良質な睡眠や趣味活動

サプリメントの活用

◎こんな方におすすめ

• 物忘れが増えてきたと感じる方
• 認知症の家族歴があり、予防を考えている方
• MCIの診断を受けた方
• 家族の認知機能低下に不安を感じている方

今すぐできること

早期診断のため、かかりつけ医に相談しましょう。

運動・食事・睡眠の改善を心がけましょう。

サプリメントの摂取を検討し、MCIや認知症の予防に取り組みましょう。